ももとらサロン

マーケティングのスキルアップを応援!!実務に役立つノウハウをお届けします

【分析演習】マーケティングデータから見るイマドキのニューノーマルな生活者の実態

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こちらは実務経験30年のベテランマーケターが「ニューノーマルに対応したマーケティング実務のノウハウやテクニック」を無料で公開する連載企画の4回目の記事です。

若手ビジネスマンやマーケティング初心者の方を対象に、わかりやすく解説していきます。

今回は演習形式で「一般公開されているマーケティングデータを活用し、生活者の意識や行動の実態の分析」をしていこうと思います。
具体的には、検索エンジンでインターネット上からピックアップした情報で、マーケティングの生活者分析を実施し、アウトプットであるドキュメントを作成するまでの過程をご覧いただきながら、進め方や実施方法、そして実務ノウハウを解説していくという構成となっています。

分析のテーマは「コロナ禍における生活者の意識と行動の実態」
コロナ禍も2年目が過ぎようとしていますが、日本の感染者数は依然高い数値を推移しており、いっこうにコロナ禍の終息が見えない状況が続いています。
まさに先行き不透明といった感じですが、そういった生活環境の下、イマドキの生活者は「何を感じ、どう考え、どんな行動をしているのか」その実態に切りこみます。

また、この分析演習のアウトプットとして、分析の」ドキュメントを公開していきますが、こちらは実務で汎用的に活用していただける情報として作成しております。
マーケティングの生活者分析の実践的な事例としてもご覧いただき、皆様のお仕事で何らかのお役に立てますとうれしいです。

どうぞ最後までご覧ください。

 

この記事の概要と進行キャラクター

こちらの記事も恒例の4つのキャラクターが登場して、それぞれのかけ合いやおしゃべりで楽しく進行していきます。

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どうぞよろしくお願いします。

記事の信頼性

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この記事は実務経験30年のベテランマーケターで、広告代理店のマーケティング部長を務め、現在はマーケターと工場経営の二刀流で活動している「ももとら」が執筆しています。
また、広告代理店では若手社員向けのマーケティング研修も担当してきましたので、初心者の方にもわかりやすくお伝えできると思います。

読者の悩み

入社3年目のサイです。これまでの記事で、マーケティングの全体像についてはイメージできたと思っています。次のステップとして、いろんな実務のやり方などを学んでいきたいので、ぜひ、教えてくだサイ!!

はい。今回は実務の演習として「マーケティングデータを活用した生活者分析」をやっていきます。実際に一般公開されているマーケティングデータを活用して分析していきますよ。

入社5年目のシカです。マーケティングデータの見方や、データをどのように読み取っていけばよいのかなどの分析のノウハウを知りたいです。よろしくお願いします!!

承知しました。 皆さんのご相談にお応えしていきます。

この記事のメリット

この記事をご覧いただき、実務で活用すると、以下のメリットを体感していただけると思います。

メリット①
マーケティングデータを活用した分析の具体的な進め方の手順や実施内容について、わかりやすい演習方式で学習することができるため、ご自身の抱えている業務に即座に取り入れて有効活用することができる

メリット②
マーケティングデータの収集方法、活用していくデータの選別、個別データの読み解き方などの実践的な実施方法を習得することができるので、マーケティングの実務的なスキルを大きくアップさせます。

メリット③
「コロナ禍の生活者」を対象に分析を進めていきますので、実際に「ニューノーマルな生活者」をターゲットとして考えている方は、今回の演習における分析結果をそのままご活用いただくことも可能です。

分析演習の概要と進め方

まずは分析演習の概要と進め方を解説します。

分析演習の概要

  • 分析対象
    コロナ禍2年目をむかえた日本在住の生活者
  • 分析の視点
    コロナ禍における意識と行動の実態。
    ニューノーマルな生活に対する意識と行動の実態。
  • 情報収集と分析の方法
    インターネット検索によるデスクトップリサーチ

分析演習の進め方

  • Step-1:仮説とキーワードの設定
  • Step-2:情報収集、データの選別、分析
  • Step-3:ドキュメント作成

Step-1:仮説とキーワードの設定

情報収集を始める際に必要になるのが仮説とキーワードの設定です。
何も考えず適当に作業をスタートさせてしまうと、情報収集の範囲が拡がり過ぎたり、テーマが迷走したりと作業効率が悪くなることがままあります。

すぐ動き出しちゃダメなんですね?

はい。必ず、ある程度の仮説を持って進めていくようにしましょう。

仮説の設定方法
仮説を設定するためのプレリサーチを実施します。
プレリサーチではテーマの基本的な情報を把握しながら出口の方向性を検討していきます。
ここで検討する「感覚的な出口の方向性」が仮説になります。

仮説のキーワードの設定方法

次に「仮説のキーワード」について解説します。
「仮説のキーワード」とはズバリ「仮説を検証していくために必要な情報に到達するための検索キーワード」を示します。
キーワードの構造は以下の考え方となります。
「テーマ全体のキーワード」+「ターゲットの意識行動」+「目的とする情報」

演習で実際にキーワード設定もやりますので、ここではキーワードの構造だけ頭に入れておいてください。

プレリサーチ

それでは、ここから演習形式で実際にプレリサーチを実施して、仮説を設定し、キーワードの洗い出しまでをやっていきましょう。コロナ禍を伴う暮らしの現状に関する基本情報の収集をしてみましょう。

Googleで「コロナ禍」を検索してみると、政府やNHKなどが発表している報道記事がたくさんヒットします。そこから「国の政策」「規模や頻度などを示す数字」「国内外のトピックス」などを確認して、エッセンスを抽出して並べてみます。

プレリサーチ
  • 緊急事態宣言対象地域の拡大と期間延長
    緊急事態宣言について既存13都府県に加え新たに8道県を追加。今回で4回目の緊急事態宣言は8月27日から9月12日まで延長。
  • 感染者の状況(8月24日 23:59 時点)
    感染確認者数:134万4510人(前日比 2万1570人)
    重症者数:1935人
    死亡者数:1万5725人(前日比 +42人)
  • 国内の状況
    医療現場逼迫、自宅療養者の増加、子どもの感染の増加。
    東京パラリンピック開幕、夏の高校野球開催、ロックフェス開催
    繁華街の人流抑制、テレワーク促進など効果出ず。
    若者向けのワクチン接種開始。行列も発生。
  • 海外の状況
    米中で「デルタ株」拡大。
    ワクチン接種強化やスマホで行動管理。
    韓国 感染拡大で最も厳しいレベルの規制措置8月22日まで延長。
  • 国内景気の状況(内閣府景気ウォッチャー調査、7月の景気)
    コロナ感染が急拡大していることを背景に緩やかな伸びにとどまる。
    業種、企業、雇用形態などの格差は依然拡大。
  • 内閣支持率(FNN・産経合同世論調査2021年8月) 
    内閣支持率32.1%に下落 政府のコロナ対策評価しない70.4%
    9月、自民党総裁選挙実施。新体制移行の可能性。

日頃、よく見聞きしている情報が並びましたね。

まずはこんな感じですね。

次はここから実際に仮説を設定していきます。

仮説の設定

プレリサーチの結果から私が感覚的に感じたことは以下のようなことでした。

  • 当面見通しが立たない停滞した状況が続いている。
  • さらに身近になったコロナ感染、自宅療養の恐怖、効果の見えない自粛生活、コロナ疲れで、何事も停滞したような空気が社会を包んでいる。

そして、私がここから感覚的に設定した仮説はこんな感じになります。

仮説 (感覚的なアンサーの方向性)
「生活者はコロナ疲れと自粛慣れで、目の前に起こる物事に対する様子見を始めた。ニューノーマルな生活についてもコロナ禍が始まった当初と比べると冷静で停滞気味な態度になってきているのではないか。」

 

具体的には、コロナ政策、コロナ禍からの回復、経済、暮らし満足度、などのあらゆるモノが停滞し出した現在、新しい生活様式として大きく取り上げられたニューノーマルにもここで停滞の傾向が生まれているのではないかということです。

現在の社会の空気を示す言葉として「停滞」という言葉を挙げてみました。このような言葉を考える時の意識は、年末に有名なお坊さんが「今年を一文字で表すとこの字になります」といって清書する一文字を考えるといった感じですね。

あ~。それ必ず年末にやってますよね。

社会における実態の捉え方も仮説の立て方も人それぞれで、いろんな解釈があって良いですし、それこそ正解がない世界ですから、それぞれ自分のやり方を試してみるのも良いと思います。今回は分析の演習なので、これはこれとして進めていきましょう。

Step-2:情報収集、データの選別、分析

ここからはマーケティングデータを収集し、個別に分析していきます。今回の演習の目的は「生活者の実態」を明らかにすることなので、収集するマーケティングデータは以下の軸で設定します。

情報収集の軸
  • コロナ禍に対する認識
  • コロナ禍における生活行動
  • コロナ禍における仕事の状況
  • コロナ禍における購買行動
  • コロナ禍における情報行動

ここでもあらかじめ計画するんですね。

そうですね。チェックリストを作ってチームで共有してから情報収集すれば作業効率も良いしスピーディーですよ。

さて、ここで情報収集の具体的な方法として、インターネット検索についてお話しておきます。

検索キーワードについて

先ほどお話した検索キーワードについての解説です。

キーワードの構造は以下の考え方でしたね。

「テーマ全体のキーワード」+「ターゲットの意識行動」+「目的とする情報」

今回の演習ではこんな感じになります。

「コロナ禍」+「生活者の意識」+「調査」

これを検索の基本パターンとして、出てくる検索結果を見ながら、他のキーワードを付加してみても良いと思います。

ちなみにマーケティングデータの具体的な収集方法については別の記事でも紹介していますので、お時間のある時に見てみてください。

momotorasalon.com

それでは演習を進めましょう。

コロナ禍に対する生活者の認識について調べてみましょう。Googleに「コロナ禍」「生活者の意識」「調査」の検索キーワードを入力し、分析に活用できるデータを丁寧に探してみてください。

「コロナ禍」「生活者の意識」「調査」・・・

内閣府がコロナ禍の生活意識と行動に関する調査を公開していますね。

https://www5.cao.go.jp/keizai2/manzoku/pdf/result3_covid.pdf

ここで、キーワード検索にヒットした情報の選び方のコツを紹介しておきます。

情報選択の3つのコツ
  1. できるだけ一次情報から選択する。
    一次情報:オリジナルな情報、本人が行った調査や実験の結果
  2. できるだけ新しい情報を選択する。
    2021年の情報を選択しましょう。
  3.  できるだけ信頼性の高い情報を選択する。
    定量調査であればできるだけサンプル数の多いものを選択しましょう。

内閣府の調査はこの条件をすべてクリアしていますね。

「第3回新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」
内閣府
・調査方法:インターネット調査(全国)
・回収数:10,128
・調査期間:2021年4月30日(金)~5月11日(火)

この調査はコロナ禍における生活意識と行動について詳細に調査しています。
こちらを活用させていただきましょう。

あわせて、データを見る前にここでデータの読み取り方について紹介しましょう。

データの読み取り方、5つのポイント
  1. まず全体の傾向を観察して特徴的な事象をコメント化する。
  2. 次に部分的な傾向(性別や年代別の比較など)を観察して特徴的な事象をコメント化する。
  3. 時系列で比較できるデータがあれば、時系列推移の傾向を観察して特徴的な事象をコメント化する。
  4. コメントはデータが示していることに限定して記載する。
    ※データを読む人の主観的意見などは盛り込まない
  5. コメントは短い文章で明瞭簡潔に記載する。


それではデータを見ていきましょう。

➡コロナ疲れが拡がる

下のグラフはコロナ疲れを感じる人の割合を示したものです。

コロナ疲れに関する意識

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コロナ疲れを「感じる」+「やや感じる」は全体で71.6%。全世代で同じ傾向ですが、特に20代、30代の若者層の「コロナ疲れ」が顕著です。
「コロナ、いい加減にして欲しいよね。」と言った感じでしょうか。

だいぶ疲れてますね。

➡コロナ禍で不安なことは「健康」「将来」「生活」「仕事」

以下の数表は、2019年12月(感染症拡大前)と2021年4月30日(金)~5月11日(火)時点を比較して、コロナ禍で不安が増したと感じることについて、性年代別の割合を示したものです。

コロナ禍で不安に感じること

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全体の67.3%が何らかの不安が増したと回答しており、不安の種類では多いものから「健康」「将来全般」「生活の維持・収入」「仕事」となっています。まさに「安全欲求」「社会的欲求」が満たされない「危機的な不安状態」と言えます。世代別に見ると、「健康」「将来全般」の不安は50代以上のシニア層が高くなっています。「将来全般」で10代がスポットで高くなっているのは特徴的ですね。「生活の維持・収入」は30代から50代のミドル層が高くなっています。「仕事」は20代から40代が高くなっています。これらから、コロナ感染が顕著なシニア層が自分自身の感染と将来不安に直撃されていること、現役の生産年齢世代であるミドル層が眼前の生活や仕事で不安定な状況に立たされていること、そしてそのような社会状況を見た10代が将来への不安を感じ取っているといった構造が想像できますね。

たしかに。将来に希望が持てない感じは実感できますね。

➡コロナ禍でも新しく何かに取り組む行動も停滞傾向

コロナ禍で何らかの挑戦や取り組みをした人の割合の推移

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上のグラフはコロナ禍において、何かしらの挑戦・取り組みをしたと回答した人の割合を2020年5月-6月時点、2020年12月時点、2021年4月-5月時点の時系列で比較したものです。

2020年5月-6月時点では何かに挑戦したり取り組む行動を行った人が48%でしたが、2021年4月-5月時点では36.9%と11%減少しています。「こんなコロナなご時世だからこそ何かを始めよう」と著名人がSNSで様々な発信をしていたのが2020年5月-6月時点の数値に反映されて、48%という高い数値が測定されましたが、先の見えない状況が長く続いていることで、2021年4月-5月時点では大きく数値が下がってしまっている状況が確認できます。新しく挑戦したいことをやり終えてしまったのか、飽きてしまったのか、それともそれどころではなくなってしまったのかは読み取ることができませんが、生活者の未来に向けたモチベーションそのものが確実に停滞していることを確認できると思います。

うん、うん。よくわかります。コロナ禍の最初の頃は筋トレしたり料理したりしてましたけど、結局、続かないんですよね。

ここで、別の調査データも見てみましょう。

コロナ禍の生活で身近でベーシックな行動について調査しているものを探してみましょう。
検索キーワードは「コロナ禍」「暮らし」「調査」で調べてみましょう。

「コロナ禍」「暮らし」「調査」・・・と

マーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングが実施した「消費動向に関する定点調査(2021年5⽉度)」(2021年5⽉21⽇~24⽇、調査対象:全国20〜69歳男女計1,200サンプル)を発表していますね。
こちらを活用させていただきましょう。

www.cross-m.co.jp

➡コロナ禍で外出は大幅に自粛

1年前と比較した食事のための外出頻度の増減

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上のグラフは調査に解答する1年前と比較して食事のための外出頻度がどの程度増減したのかの割合を表しています。

コロナ禍前から若干減少気味でしたが、コロナ禍が始まった後の2020年5月ではその1年前と比較してなんと62.8%の減少を示しています。
その後も2020年10月はその1年前と比較して45.2%の減少。さらにその後の2021年5月はその1年前と比較して47.1%の減少。
グラフから最初の緊急事態宣言で街から人気が引いた状況や、その後の緊急事態宣言解除による多少の戻り傾向などを連想することができますね。

最初の緊急事態宣言の時はびっくりしましたよね。

そのうち慣れてきちゃいましたけどね。

 

次にコロナ禍の仕事の状況について見てみましょう。再び内閣府の「第3回新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」を活用させていただきます。

➡テレワークの実施は業界格差が顕著

次はテレワークの実施状況を確認してみましょう。

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上のグラフはテレワーク実施状況について、2020年5月-6月時点、2020年12月時点、2021年4月-5月時点の時系列の数値を業界別に比較したものです。

テレワークの実施率が全体で30.8%
メディアのテレワークに関する報道を目にしていると、テレワークはもっと社会に浸透しているように思いがちですが、情報通信業が単体で76.9%で突出しているだけで、他の業界ではまだまだ定着しているとは言えない状況で、全体としては3割程度に留まっていると言った状況です。

なるほど。
そもそもテレワークが成り立たない仕事ってたくさんありますよね。

コロナ禍前の働き方改革の流れで「ライフワークバランス」についても見てみましょう。

➡ライフワークバランスの「生活重視」の意識も下げ止まった状況

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上のグラフはライフワークバランスについて、2020年5月-6月時点、2020年12月時点、2021年4月-5月時点の時系列の数値を年代別に比較したものです。
出典は内閣府の「第3回新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」です。

感染症拡大前よりも生活を重視するように変化した割合は、2020年5月-6月時点には全体で56.4%であったものの、2021年4月-5月時点では34.4%と大幅に低下した状況となっています。

コロナ禍の最初の頃は自宅待機だったので家族や家庭の事をいろいろ考えるきっかけになりましたね。
でも考えれば考えるほど不安になってきて、結局、仕事仕事になっちゃいましたね。

次は購買行動について見ていきましょう。

検索キーワードは「コロナ禍」「購買行動」「調査」でお願いします。

「コロナ禍」「購買行動」「調査」・・・と。

再びマーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングの「消費動向に関する定点調査(2021年5⽉度)」(2021年5⽉21⽇~24⽇、調査対象:全国20〜69歳男女計1,200サンプル)を活用させていただきましょう。www.cross-m.co.jp

➡コロナ禍をきっかけにインターネットショッピング利用が大幅に増加

1年前と⽐較したインターネットショッピング利用の増減

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上のグラフは調査に解答する1年前と比較してインタネットショッピングの利用がどのぐらい増加したのかの割合を表しています。

コロナ禍の前後で見てみると、2019年10月はその1年前と比較して8.1%の増加でしたが、コロナ禍が始まった後の2020年5月ではその1年前と比較して17.6%の増加を示しています。
そしてコロナ禍が続く2020年10月にはその1年前と比較して22.2%の増加
コロナ禍をきっかけにインターネットショッピングの利用が大幅に増加したことが確認できます。

インターネットショッピングはコロナ禍の前からやってましたけど、外出自粛の関係でネットスーパーなんかも利用するようになりましたよね。

そう言えば、これまでインターネットショッピングをやっていなかった家族もコロナ禍になってからスマホでインターネットショッピングを始めましたね。

最後に情報収集行動について確認してみましょう。

検索キーワードは「コロナ禍」「情報行動」「調査」でお願いします。

「コロナ禍」「情報行動」「調査」・・・と。

総務省情報通信政策研究所が実施した「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」がありますね。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000765135.pdf
こちらからコロナ禍における生活者の情報接触行動の実態を分析してみましょう。

「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」
総務省情報通信政策研究所
<調査概要>
•対象者:全国の13歳~69歳までの男女 1,500人
•調査方法:訪問留置調査・日記式調査とアンケート調査を併行実施
•調査期間:2021年1月12日~1月18日

➡情報源としての重要度が高いメディアは「テレビ」「インターネット」

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こちらはメディアの重要度を「非常に重要」「ある程度重要」「どちらともいえない」「あまり重要ではない」「まったく重要ではない」の5段階で評価し「非常に重要」「ある程度重要」の合計を「重要度」とみなして集計したものです。

全年代において「テレビ」が最も重要度の高い情報源となっています。
「インターネット」は10代から40代で「テレビ」と同等の重要度となっています。
「新聞」は60代50代で支持されているものの「テレビ」には及ばない数値となっています。

確かに。テレビとインターネットの両方でコロナ禍のニュースを見ますね。

朝、テレビのニュースを見るようになったのはコロナ禍の影響もありますね。

➡情報源としての信頼度が高いメディアは「テレビ」「新聞」

次にメディアの信頼度を見てみましょう。

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「非常に信頼できる」「ある程度信頼できる」「どちらともいえない」「あまり信頼できない」「まったく信頼できない」の5段階で評価し「非常に信頼できる」「ある程度信頼できる」の合計を「信頼度」とみなして集計しています。

全年代で信頼度が最も高い情報源は「新聞」でした。
信頼度の数値が最も高いのは60代の「新聞」ですが、それでも74.1%で、圧倒的な信頼を獲得できているわけではない点が特徴的です。
「テレビ」は「新聞」には若干及ばないものの、概ね「新聞」と同等の数値を獲得しています。
「インターネット」「雑誌」の信頼度は全年代において低い結果となっています。
「インターネット」が「雑誌」よりも信頼度が高いという点も特徴的と言えます。
このグラフからは読み取れませんが、もともと「インターネット」の信頼度は雑誌よりも低かったわけですから、その信頼度が徐々に上がっているという捉え方もできます。

私はコロナ禍の話題についていくために新聞を読むようになりました。
テレビのニュースと新聞はチェックするようにはなりましたけど、全幅の信頼を置いているわけじゃないんですよね。
人それぞれでしょうけど。

➡情報源としての娯楽の重要度が高いメディアは「テレビ」「インターネット」

最後に「娯楽としての重要度」を見てみましょう。

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こちらはメディアの娯楽としての重要度を「非常に重要」「ある程度重要」「どちらともいえない」「あまり重要ではない」「まったく重要ではない」の5段階で評価し「非常に重要」「ある程度重要」の合計を「重要度」とみなして集計したものです。

全年代において「インターネット」と「テレビ」が支持され、重要度の高い情報源と位置付けられています。特徴的なのは、「テレビ」は20代だけには弱く、特に40代から60代に強い。そして「インターネット」は10代から40代に強く、50代から60代に弱い。このような世代的な違いが現れています。

確かに。手っ取り早い娯楽はテレビ番組とネット動画ですもんね。

参考までに電通が発表した「2020年日本の広告費」のエッセンスを紹介します。
2020年の構成比を見ると、「テレビ」は全体の26.9%、「新聞」は6%、「インターネット」は36.2%、「雑誌」は2.0%という結果となっています。

こと広告費においては「インターネット」が独走していますが、生活者の情報源としては未だに「テレビ」が健闘しており、「インターネット」と並んで活用されていることが確認できます。

テレビは主にニュースを見てますね。
あと、著名人のやらかしちゃった話とか。

ドキュメントの作成とサンプル紹介

さて、データの収集と分析はこのぐらいにして、ここからは分析結果をドキュメントにまとめていきましょう。
まず、ドキュメント作成のポイントについてお話します。

ドキュメント作成10のポイント

  1. 最初に結論を言う。
  2. メッセージは1ページにひとつ。
  3. 文字は極力減らす。
  4. ドキュメントの使用目的や読者をイメージして、相手にフィットするストーリー、内容、見え方、文字使いを心がける。
  5. 伝えたい要点がひと目でわかるようなルールやアテンションを活用する
  6. パッと見て反応的に興味を持たせて理解できるようにグラフやイラストを活用する
  7. ドキュメントをいろんなシーンで使いまわせるように、フォーマットやストーリーをコンパクトにする。
  8. デジタルで掲載や送信することを前提として作成する。
  9. 完璧を目指さない。時間をかけない。
  10. 著作権侵害にならないよう、掲載許諾や引用等のルールを順守する。

<参考> 調査データ掲載の注意点
インターネットには様々な調査資料が公開されています。
業務で使う資料を作成する時は公開されている調査からデータを引用することがあると思います。
ここではその際の注意点について紹介します。
まず、調査データそのものには著作権などの知的財産権は無いと言われています。
誰でも自由に利用できます。
調査データは「調査をした結果このような事実が確認できた」という情報です。
同じ方法、費用、労力で調査すれば、同じ結果が得られると考えられます。
そのため特定の組織や個人に調査データを独占する権利は認められないということになっています。
ただし、調査データのグラフなどのデザイン、色、フォント、線の太さなどは、その調査データそのものの情報とは別にデザインの著作権が認められます
安易に図表そのものをコピー&ペーストして利用すると、デザインに対する著作権の侵害になり得るので注意が必要です。
調査データを図表やグラフとして掲載する場合はオリジナルを作成することが必要です。
法的には以上ですが、公開元が無断利用を禁止する旨を明言している場合は、利用するとトラブルになる可能性があります。
今回活用している内閣府のように「掲載している簡単な図表などは一定のルールに従えば自由に利用してよい」と明記されている場合は、そのルールに従えば図表をコピー&ペーストすることもできます。
調査データの引用については、その信憑性を明らかにするため、そして誤りがあった場合に責任を問われるのを避けるために、出典を明記しましょう。

 なるほどですね。

ルールをしっかり守ってやりましょう。

Step-3:ドキュメント作成

ここからは、今回の演習で収集分析したマーケティングデータをドキュメントに加工していきます。

ドキュメントの作成ソフト
今回はMicrosoft PowerPointで作成しています。
理由はビジネス利用ユーザーが最も多く、データの流通や汎用性を考慮すると、Microsoft PowerPointの一択となるのが現状です。

ドキュメントのフォーマット

以下は今回のフォーマットです。

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simple is bestです。

  • ページの分類
    該当のページが、サマリーなのか、個票なのか、参考資料なのか、ページの分類をシンプルに記載します。
  • タイトル
    ページで伝えたいことのタイトルやテーマを極力短い文章で分かりやすく記載します。
  • メッセージ
    ページで伝えたいことのタイトルやテーマを極力短い文章で分かりやすく記載します。
  • 図表・グラフ
    ページで伝えたい情報をわかりやすく掲載します。チャートやイラストなど、興味を持たせたり、わかりやすく伝えるための多様な表現方法がありますので、工夫してみてください。
  • クレジット
    企業名など情報の発信主体を記載します。無断掲載禁止など、情報の規制事項などもあわせて記載する場合もあります。

上記のフォーマットは一例です。フォーマットはドキュメントの使用目的や相手などにあわせて適宜変更して効果的で使いやすいモノを開発していくと良いでしょう。

ドキュメント例

それでは今回の演習で収集分析したマーケティングデータをまとめたドキュメントを紹介していきます。

まず結論です。

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分析の前に設定した仮説を検証してきたわけですが、多様なデータを読み解くことで、「様子見」と「停滞気味」の2つの生活者の生活態度を明らかにすることができたと考えています。
特に、この「様子見」と「停滞気味」のニュアンスをインサイトとして掘り進んでいくと、おもしろい発見ができるのではと感じでいます。

うん、わかりやすい。
確かに。実感が持てますね。

次はこのサマリーの情報を分解していきますよ。
データをレビューしていきます。まずは新型コロナウイルスに関する基本情報です。

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伝えたいメッセージの根拠となる事実をボックスで並べて表現しています。

うん。見やすいですね。

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こちらはコロナ疲れをグラフで表現しています。
出典元の内閣府では調査データの活用がフリーとなっているため、グラフをそのまま活用させていただいております。

www.cao.go.jp

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数表で強調したい部分に赤い破線のアテンションを入れています。

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強調したい部分に赤い矢印でアテンションを付けています。

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こちらはクロス・マーケティングが実施した「消費動向に関する定点調査(2021年5⽉度)」を掲載させていただいております。

www.cross-m.co.jp

著作権保護のためグラフは新たにオリジナルで作成したものです。
特に強調したい数値や数値の動きには赤いアテンションを付けています。

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こちらはマーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングの調査データを掲載しています。

www.cross-m.co.jp

著作権保護のためグラフは新たにオリジナルで作成ました。
特に伝えたい数値の動きに赤い破線のアテンションを入れています。

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数表で特に強調したい部分に赤い破線のアテンションを入れています。

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細かいグラフでも、見せ方のひと工夫をすることで、だいぶ印象が変わるんですね。

演習のまとめ

分析演習、いかがでしたでしょうか。

インターネット上に一般公開されている調査データでここまでできるんですね。

仮説設定、情報収集(検索のかけ方)、情報の選択ポイント、データの読み取り方やコメント付けの方法、ドキュメント作成のポイント、著作権保護の注意点などのノウハウも紹介させていただきました。ボリュームが大きいのでまとめで再掲はしませんが、必要な時にこの記事を読み返していただき、皆様の実務で役に立つことができましたらうれしいです。

これも実務でやりながら身に付けることのひとつですね。

そうですね。そして、自分なりのやり方を創造していくことも重要だと思います。
常にニーズを捉えて改善していっていただけますと嬉しいです。

ももとらサロンでは今後も実務に役立つマーケティングノウハウをどんどん提供していきます。

次回は「マーケティング情報の分析方法」について少し専門的なお話を紹介したいと思います。

今後とも「ももとらのマーケティングレッスン」をご活用いただけますよう、よろしくお願いします。

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最後までご覧いただきありがとうございました。