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こちらは「【連載企画】実務に役立つマーケティングテンプレート特集」の3回目の記事です。
連載企画の概要はこちらをご覧ください。
今回は「マーケティング競合分析に役立つバリューチェーン分析のテンプレート」を解説します。
前回、環境分析に役立つテンプレートで取り上げた4P分析で競合プレイヤーとのマーケティング戦略の比較を実施しましたが、今回はバリューチェーン分析を活用して、さらに詳細に踏み込んだ競合比較の方法を解説し、分析のテンプレートと、その活用のコツを紹介していきます。
ちなみに前回の環境分析に役立つテンプレートの記事はこちらです。
バリューチェーン分析は競合比較はもちろん、それ以外に、ビジネスモデルの構造理解を深めるスキルも身に付きますのでおススメのノウハウです。
どうぞ最後までご覧ください。
進行キャラクター
今回もいつものキャラクターで楽しく進行していきます。
どうぞよろしくお願いします。
記事の信頼性
この記事は実務経験30年のベテランマーケターで、広告代理店のマーケティング部長を務め、現在はマーケティングサポートとサーフボード工場経営の二刀流で活動している「ももとら」が執筆しています。
広告代理店で数々のマーケティング研修を担当してきましたので、初心者の方にもわかりやすくお伝えできると思います。
読者の声
サイです。
そう言えば競合比較表って作成したことが無いです。
・・・どうしたら良いですかね?
教えてくだサイ!!
マーケティング起業したシカです。
競合比較のテンプレート、自分も欲しいです。
よろしくお願いします!
承知しました。
皆さんのご要望にお応えします。
どうぞ最後までご覧ください。
この記事でわかること
競合分析で活躍するバリューチェーン分析と競合比較のテンプレートを紹介します。
テンプレートの書式はもちろんですが、分析の考え方、分析方法、テンプレートを作成するコツなどの実務で役立つノウハウをわかりやすく解説します。
この記事のメリット
- メリット①
競合の分析と競合比較が効率的に実施できるようになります。 - メリット②
バリューチェーンで考えるスキルを習得することで、ビジネスモデルの構造理解を深める習慣が身に付き、これまでと比較して一歩踏み込んだ価値発見ができるようになります。 - メリット③
テンプレートを使いこなすことで、より客観的で立体的な分析ができるようになり、あなたのマーケティングスキルを大きく向上させます。
バリューチェーン分析とは
まず、はじめにバリューチェーン分析について解説します。
下のチャートをご覧ください。
(注)上記のチャートはマイケル・E・ポーターの提唱するバリューチェーン分析をa.garage.surfが現在の企業活動にマッチしやすいよう独自に作成したものです。
構成要素の名称を一部変更して記載しています。
バリューチェーンは上のチャートのように、企業の事業を原材料の調達から利益を出すまでの一連の流れとで整理していく考え方です。
日本語で言い換えると「価値連鎖」となります。
バリューチェーンは、アメリカの経営学者マイケル・E・ポーターが「競争優位の戦略」の中で提唱した概念です。
参考までにリンクを貼っておきます。
かいつまんで理解したい方はこちらをどうぞ。
バリューチェーンを分析することで競合の事業の「どこのプロセス」で「どのような価値」が創造されているのかをあぶり出すことができます。
さらに分析内容を俯瞰することで、競合の強みや弱みを可視化することができます。
自社のバリューチェーンと比較することで、競合とどう差異化するべきかのヒントを見つけることも可能です。
バリューチェーン分析の仕組みとテンプレート
まず、バリューチェーンを構成する要素について解説します。
バリューチェーン分析では、一般的に企業活動として実施している活動を以下のように分類して考えます。
バリュー・チェーンの構成要素
<主活動>
主活動は、事業に直接的な関わりを持つ企業活動です。
構成要素としては、「原材料、原価、調達ルート」、「生産、設備、技術」、「流通、販売価格」、「マーケティング」、「カスタマーサービス」です。
- 原材料、原価、調達ルート
商品生産の原材料の特徴、原価設定の状況、原材料の仕入れ方法や保管方法など - 生産、設備、技術
商品生産の工場、設備、装置、技術、検品など - 流通、販売価格
商品の流通の仕組み、物流方法、倉庫、出荷方法などの特徴、流通価格、店頭販売価格など - マーケティング
商品のマーケティング施策、販売施策、広告宣伝施策、プロモーション施策、コミュニケーション施策など - カスタマーサービス
商品のアフターフォロー、問い合わせ対応、クレーム対応など
<支援活動>
支援活動は、事業に直接的な関わりを持たない企業活動です。
「経営マネジメント」、「人事」、「研究開発」、「調達」があります。
- 経営マネジメント
財務、総務、経営企画など - 人事
人材採用、教育、労務管理、福利厚生など - 研究開発
技術の研究・設計・開発、など - 調達
物品調達・購入、契約など
バリューチェーン分析の進め方
バリューチェーン分析の進め方はシンプルです。
分析の対象となる事業に関わる全ての活動を以下のテンプレートのバリューチェーンの構成要素ごとにリストアップしていきます。
バリューチェーン分析のテンプレート
それでは、実際にバリューチェーン分析を実演してみましょう。
今回はサンプルとして、次のお題で分析を進めていきます。
お題は仮のテーマで、コロナ禍でもあの手この手を駆使して事業継続を図る食品事業者の「本格ケバブ専門店のサイフーズソリューション 」と「本格タコス専門店シカ食品産業」の競合比較といたします。
バリューチェーン分析のお題
以下は2社の事業概要を比較表に整理したものですので、ざっとご覧ください。
この2社は、売上高と利益の総額は拮抗していますが、事業戦略はまるで異なっています。
その違いをバリューチェーンで分析していきます。
バリューチェーン競合分析の内容
サイフーズソリューションはレシピ開発は自社で賄っていますが、それ以外の原材料調達、生産、流通販売はすべて外注で組み立てています。
販売戦略に強みを持ち、FC展開で全国の地域市場に食い込んでいます。
また主力の商品の本格ケバブから派生させた地域FCオリジナルトッピングを話題化させるとともにそれを武器とした関連商品を開発してEC通販も積極的に展開しています。
サイフーズソリューションは話題づくりと商品企画開発力に優れており、EC通販商品のラインナップは同社の強みとなってます。
しかし、コロナ禍の長期化により、FC店舗が不振に陥り、その穴埋めをデリバリーとEC通販で補おうという状況となっています。
続きまして、シカ食品産業ですが、こちらはサイフーズソリューションと対象的で、原材料調達、生産設備、販売店のすべてを自社で運営し、食品開発のバリューチェーンの独自のノウハウを有しています。
商品を本格タコスに絞り込んでいることと、販売網を都市圏展開に絞り込んでいることで、独自のポジションを獲得していますが、コロナ禍の影響でプランBの発動を余儀なくされています。
そこでシカ食品産業は独自の商品開発力と生産ノウハウを活用し、コンビニのOEMブランドとして商品展開に活路を見出します。
コロナ禍でも一定の集客力を持つコンビニと組むことで、一定の売上を確保しつつ、さらなる成長の打ち手として、コンビニと共同出資の商品開発会社の立ち上げを進めています。
ポジショニングマップ
ここまでの分析内容をポジショニングマップにまとめてみました。
さて、コロナ禍に立ち向かうこの2社、それぞれの事業戦略はまるで異なりますが、それぞれの強みを活かした事業展開に取り組んでいることが可視化できたのではないでしょうか。
バリューチェーン分析のそれぞれの項目をひとつひとつ整理して比較していくことで、客観的な分析ができますね。
そうですね。
このテンプレートを活用するとバリューチェーン全体を分析できるので、漏れがなく、さらに一歩踏み込んだ競合比較が実施できますよね。
サンプルのおかげで分析の進め方や具体的な分析方法がよくわかりました。
まとめ
今回は競合分析に役立つテンプレートということで、「バリューチェーン分析」について解説させていただきました。
お仕事で競合分析をする機会は非常に多いと思いますので、ぜひこのテンプレートを使いこなしていただき、マーケティングのクオリティアップと効率化にお役立てください。
また、資料づくりだけでなく、打ち合わせや商談の場でも活躍しますので、皆さんのスキルの引き出しに常備していだたき、お役立てください。
このブログで紹介しているテンプレートは自由に活用しても良いんでしょうか?
はい、大丈夫です。
ファイルが必要な方はお問い合わせフォームからお気軽ご連絡ください。
個別にメールでテンプレートファイルをお送りします。
次回は情報収集業務のテンプレート紹介の第4弾として、事例検討のテンプレートについて解説していきたいと思います。どうぞお楽しみに。
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最後までご覧いただきありがとうございました。