ももとらサロン

マーケティングのスキルアップを応援!!実務に役立つノウハウをお届けします

【Z世代】世代の特徴から切り取るニューノーマルな生活者インサイト【マーケティング】

こちらは連載企画「仕事にすぐ使えるマーケティング実務のノウハウ20選」の第6回目の記事となります。
今回は生活者インサイトの探求方法を一般公開されているマーケティングデータを活用した演習形式で紹介していきます。

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どうぞ、最後までご覧ください。

この記事の進行キャラクター

今回も恒例の4つのキャラクターで楽しく進行していきます。

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どうぞよろしくお願いします。

記事の信頼性

この記事は実務経験30年のベテランマーケターで、広告代理店のマーケティング部長を務め、現在はマーケターとサーフボード工場経営の二刀流で活動している「ももとら」が執筆しています。

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広告代理店で若手社員向けのマーケティング研修を担当してきましたので、初心者の方にもわかりやすくお伝えできると思います。

この記事で伝えたいこと

この記事を通して「インサイトの探求とは何なのか」「インサイトの探求とはどのような方法で実施するのか」ということをお伝えしていきたいと思います。

インサイトの探求方法を習得していただくことで、皆さまのマーケティングのスキルアップに貢献できるとうれしいです。

読者の悩み

入社3年目のサイです。
マーケティングのターゲット分析などで「もっとインサイトについて考えろ!!」と指導されるのですが、インサイトそのものについてあまり理解できていません。
これを機会にマスターしたいと思いますので、ぜひ、教えてくだサイ!!

部下のサイに「もっとインサイトについて考えろ!!」と指導しているシカです。
インサイトが顧客の深層心理であることぐらいは理解できていますが、具体的にどうやってインサイトを明らかにしていくのかについては自分も自身がないですね。
インサイトの復習も兼ねて具体的な探求方法を知りたいです。
よろしくお願いします。

おまかせください。 皆さんのご相談にお応えします。

インサイトとは

インサイトはマーケティング用語で「洞察」「深層心理」を意味します。
生活者インサイト、消費者インサイト、顧客インサイトなどと呼ばれることもあります。
インサイトの意味をさらに掘り下げていくと「人に行動を起こさせる、本人も気が付いていない無意識な隠れた心理」ということになります。
インサイトは「潜在ニーズ」と混同されることが多いので、「潜在ニーズ」と「インサイト」の違いをここで解説します。

  • 潜在ニーズ
    既に自分の欲求が分かっている状態での、まだ気が付いていない需要を指します。
  • インサイト
    インサイトは潜在ニーズの更に深いところにあって、自分の欲求に気付いていない状態で、それに気付くと行動につながる無意識下の欲求や不満などを指します。

う~ん、もう少し具体的に教えてください。

例えば、未体験の商品やサービスを体験して初めて感じた心理だったり、これまで当たり前のこととしてあきらめていたり見過ごしていた不満などが該当しますね。

あ~、なるほど。
まさに無意識でいる時に「何かに気付かされた」感じですね。

なぜインサイトを探求するのか

商品やサービスが溢れている成熟期の現在は、企業のマーケティングは「需要を発見して提供する」のではなく、「需要そのものを創造する」方向にシフトしています。
なぜなら、商品やサービスのコモディティ化が進んだ現在では、商品やサービスの選択重視点が「機能や品質」から「価値や体験」へと変化しているからです。
この「価値や体験」を創造する出発点がインサイト(新たに必要とされる何か」を発見するということなのです。

インサイトの探求方法

「インサイトは何ですか?」と生活者に聞いても出てくることはありません。
インサイトは無意識下にあるので、自分自身の行動の原因や理由を論理的に説明できるものではないからです。
まだこの世に存在しない商品やサービスについて「何が欲しいですか?」と聞いても、答えようがないのと同じことです。
ここでは一般的に実施されているインサイトの探求方法について紹介します。

  • 定量調査と定性調査
    定量調査(アンケート)と定性調査(インタビュー)を組み合わせてインサイトを探求する方法です。
    最もスタンダードな方法と言えるでしょう。
    定量調査と定性調査はそれぞれ以下の役割を担い分担します。
    ➡定量調査(アンケート)
    生活の背景、意識の特徴、行動の特徴、意識や行動の内容を定量的に把握します。
    ➡定性調査(デプスインタビュー、グループフォーカスインタビュー)
    意識や行動の実態、それを感じる原因と理由
    ※調査方法のかんたん解説
    ・デプスインタビュー
     1対1の会話形式で本音を引き出し、インサイトを探求します。
    ・グループフォーカスインタビュー
     5人以上の調査参加者で座談会形式のインタビューを実施します。
    現在では、対面ではなく、インターネットを介してインタビューをす
    る「オンラインインタビュー」という調査が主流になっています。
  • 行動観察調査
    ターゲットとなる生活者の普段の暮らしの行動を観察します。
    店頭での買物の行動を観察する、サイトの閲覧行動を観察する、テレビの視聴行動を観察するなどがそれに該当します。
    「ミステリーショッパー調査」、「UX調査」、「日記調査」などがあります。

インサイト探求の演習

さて、ここからは実際にインサイトを探求してみましょう。
一般に公開されている調査データでインサイトを探求しているモノを活用し、それを分析することで生活者インサイトを探求していきます。

  • 今回の分析テーマ
    ニューノーマルな時代の申し子「Z世代」における日常生活のインサイト

分析テーマの意味するところ(世代理解の重要性)

なぜインサイトで世代という切り口を取り上げるのかについて解説します。
現在の現役世代として主に「X世代」「Y世代」「Z世代」の3つの世代が取り上げられています。(X世代の前の世代が現役ではないという意味はございません。)

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世代の違いは生まれ育った背景とインターネットやデジタルとの関わりによるところが大きいのですが、どんどん進んでいくリモート化やデジタル化の社会変動において、最もデジタルとの親和性が強い「Z世代」は今後の社会や生活意識そのものに大きな影響を与えていくであろう「次を担う世代」と考えられます。
そんな「Z世代」の生活価値観や意識をのぞくことは、これからの生活者理解にとって重要なポイントと考えられます。

今回の活用させていただく調査データ
「“かじる” 世代たち 新しい世代のあるがままのリアル」
「出典: Z世代白書(2020.6)」

tiktok-for-business.co.jp

調査概要
【定性調査】
調査機関:Bytedance株式会社XDCチーム
実施時期:2019年10⽉23⽇〜2020年6⽉19⽇
エリア:関東地区内
モニタ:16-27歳の男⼥
全体:80ss
世代別:Z世代(15-24):73ss、25歳以上:7ss
【定量調査】
調査機関:株式会社マクロミル
マクロミルのデータベースを活⽤及び調査実施
実施時期:2020年3⽉実施
エリア:全国
モニタ:15-69歳の男⼥
全体:17,333ss
└TikTokユーザー:806ss
└TikTokノンユーザー:16,527ss
世代別:Z世代(15-24):305ss、25歳以上:1771ss

それでは、Z世代の生活に対するインサイトの探求へ進みましょう。
まずはZ世代の生活背景です。
 

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改めて見てみると、すごい時代に育っていますよね。

「信用できるものは・・・無い。」こんな感じでしょうか。

そんな彼らは情報とどう向き合っているか見てみましょう。

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なんと、やはり信用していませんね。

続いて、Z世代の希望と不満について見てみましょう。

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他の世代と比較して向上心も強いですね。
それに夢も大きい。

そして不満も大きい。
かなりストレスを抱えてますね。

Z世代は自分の将来に向けてどうしていくつもりなのか、その考え方について一歩踏み込んでみましょう。

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さらにもうひとつ。

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「一つのことを絶対にやり遂げないとダメだ」というその昔の根性論的な意識は微塵も持っていないことがわかりますね。

物事を続ける気力が無いのではなくて、極めて冷静に、自然体でプランB、プランCを準備して、想定外な事態に備え、不確実な社会へ対応しながら生きているという、Z世代ならではの逞しさとクレバーなしたたかさを感じます。
このように不確実な社会で生き抜いていくための独自のマインドセットが自然体で出来ているという点が、Z世代の最も特徴的なポイントなのではないでしょうか。

インサイト、見えてきましたね。

ここまでのまとめです。

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そして、Z世代の生活行動のまとめとマーケティングの切り口です。

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Z世代のマーケテイングに対する3つの提案

  1. 誠実で嘘ややらせが無いコミュニケーション
  2. 多様性を意識した商品展開
  3. プランの変更などが柔軟なコース設定

なるほど、こういう提案だったらZ世代の自分もうれしいです。

「顧客のことわかっている」ってところが肝なような気もしますね。

そもそも信用できることが少ないですからね。
自分の方を向いてくれていたり、わかってくれているってうれしいんですよね。

おわりに

インサイトのお話をしてきて、生活者のインサイトに関する調査や研究は、マーケティングという科学の「おもしろさ」をダイレクトに実感できる分野であることを改めて感じますね。

インサイト分析をきっかけに、楽しみながらマーケティングに関わっていただけるようになりましたらうれしいです。

ももとらサロンではこれからも「マーケティングスキルの向上や実務で役立つマーケティングノウハウ」に関する情報をどしどし発信していきます。
次回は「マーケティング仮説の作り方」をテーマとしていきたいと思います。
今後ともももとらサロンをご覧いただけますよう、よろしくお願いいたします。

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最後までご覧いただきありがとうございました。