こちらは【実務に役立つマーケティングテンプレート特集】の4回目の記事です。
連載企画の概要はこちらをご覧ください。
今回は、他企業のマーケティング分析を効率的に実施できる「マーケティングのケーススタディテン分析プレート」をお届けします。
クライアントから「異業種企業のマーケティング事例をまとめておいて」と丸投げされたことありませんか?
特に昨今はビジネス環境が激変の真っ只中ですから、ケーススタディを求められることが増えていると思います。
一般的にケーススタディの資料は特段の作成ルールや見本が無いので、なんとなく作成して「ちょっと違うんだよなぁ。」とダメ出しを食らうといった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実はマーケティングのケーススタディ資料を効率的に作成するノウハウがあります。
この記事はケーススタディについて効果的な構成要素を整理しつつ、効率的に資料作成することに役立つテンプレートとその記載方法をわかりやすく解説しています。
この記事を読むことで、実務に役立つケーススタディ資料を効率的に作成するテクニックを習得することができます。
なぜならこの記事にはコンサルティングファームや広告代理店のマーケティングセクションで有能と言われるマーケターのスピードとクオリティを両立した資料作成ノウハウが凝縮されているからです。
どうぞ最後までご覧ください。
この記事の概要と進行キャラクター
今回もいつものキャラクターで楽しく進行していきます。
どうぞよろしくお願いします。
記事の信頼性
この記事は実務経験30年のベテランマーケターで、広告代理店のマーケティング部長を経験し、現在はマーケティングサポートとサーフボード工場経営の二刀流で活動している「ももとら」が執筆しています。
広告代理店で数々のマーケティング研修を担当してきましたので、初心者の方にもわかりやすくお伝えできると思います。
読者の声
サイです。
まさに、昨日、クライアントから「とりあえず事例を用意しておいて」って丸投げされました。
わかりやすい資料をかんたんに作成するコツをぜひ教えてくだサイ!!
マーケティング起業したシカです。
ケーススタディのテンプレート、自分も欲しいです。
ぜひ、もらえませんでしょうか?
皆さんのご要望にお応えします。
どうぞ最後までご覧ください。
この記事でわかること
- マーケティングの事例検討に活用するケーススタディの構成要素を教えます。
- ケーススタディの作成に役立つテンプレートを紹介します。
- テンプレートの記載事例も紹介します。
この記事のメリット
- メリット①
わかりやすいケーススタディ資料が効率的に作成できるようになります。 - メリット②
ケーススタディの作成スキルを習得することで、マーケティングの構造理解を深める習慣が身に付きます。これまでよりも一歩踏み込んだ価値発見ができるようになります。 - メリット③
多様なケーススタディをストックすることで、あなたのマーケティングノウハウがより一層充実します。そのノウハウを打ち合わせやプランニングで活用することで、より論理的でクリエーティブなマーケティングを展開できるようになります。
ケーススタディとは
まずマーケティングのケーススタディについて解説します。
- あの時成功したあのブランドはどうやったのか?
- 競合はなぜシェアをアップできたのか?
- 異業種のブランドのマーケティングを有効活用できないか?
そういったビジネスの問いに対応して事例を検討することがケーススタディです。
ここで言うケースとは、企業などのマーケティングの意思決定とその効果や結果を指します。
意思決定については、その背景や環境の分析、課題設定、仮説づくりと検証方法、マーケティング戦略、そして様々な戦術や施策の実行について、どのように考え、それぞれをどのように組み立ててきたのについて分析します。
効果や結果は、意思決定を受けて実行した施策のKPIの状況などを分析します。
具体的には「販売額目標やシェア目標の達成率がどうなった」などです。
ケーススタディからは、その意思決定主体がマーケティングをどう考えたのか、そしてマーケティング理論をどのように応用し、独自のアイデアやノウハウを創造し得たのかを学ぶことができます。
また、ケーススタディで学ぶモノはビジネスの成功事例だけではありません。
あのブランドがなぜつまづいたのか、その時どうするべきだったのかなど、失敗事例からも多くのことが学べます。
さらに、事件事故への対応や自然災害などへの対処の仕方など、ビジネスを取り巻く多面的な分野で、数々の企業の活動事例をケーススタディとして学ぶことができます。
ケーススタディの構成要素
それではケーススタディをマーケティング理論の視点で整理し、その構造がどうあるべきかを確認していきましょう。
ここではビジネスの様々な立場のステークホルダーに対して、汎用的に通用するケーススタディの構成要素を明確にしていきます。
下のチャートをご覧ください。
ケーススタディは大きく分けて「戦略」、「戦術」、「結果」の3要素で構成されます。
- 「戦略」➡マーケティングをどう考えたのか。
「戦略」は「4P」、「4C」、「3C」、「STP」を分析します。 - 「戦術」➡マーケティングをどう組み立てたのか、具体的に何をしたのか。
「戦術」は「ブランディング」、「コミュニケーション」を分析します。
※ブランディングとはザックリ言うと、企業、店舗、商品、サービスの見せ方
を工夫することによるブランド独自のイメージづくりのことを指します。
※コミュニケーションとは、ターゲットに対して、ブランドを認知させ、興味を
刺激し、ベネフィットとセールスポイントの理解と共感を獲得し、体験や売場
に誘導して、決させるまでのカスタマージャーニーの仕組みで、そこに展開す
るクリエーティブ、メディア、テクノロジー、プロモーションなどを指しま
す。 - 「結果」➡マーケティングの成果は何か。
「結果」は「KGI」、「KPI」、+αとなる「その他の成果」を分析します。
※+αとなる「その他の成果」とは、メディアにどれだけ取り上げられたとか、
SNSでバズったなどの情報の拡散効果や、インナーや販売店のモチベーショ
ンをどれだけアップさせたなどのインナー効果などを指します。
専門用語がたくさん出てきましたね。
それぞれの考え方や専門用語の解説は以下の記事をご覧ください。
ケーススタディのテンプレート
それでは本題のテンプレートの解説に進みます。
まずは紹介するテンプレートのセールスポイントです。
テンプレートのセールスポイント
- 時間をかけずにケーススタディの必須要素をコンパクトに資料にまとめることができます。
- ワンシートで完結するテンプレートです。
プレゼンテーションや打ち合わせなどで説明しやすく、オーディエンスのスピーディで直感的な理解を得ることができます。
そのテンプレートがこちらです。
テンプレートのフォーマット
今回は2つのフォーマットを用意しました。
まず、テンプレート①です。
テンプレート①はマーケティング戦略のボリュームを多く盛り込めるようにしています。
マーケティングの意思決定に必要なベーシックなチェックポイントをロジカルにレビューできるレイアウトになっていますので、マーケティング戦略の意思決定についていろんな事例を検討したい場合におススメします。
テンプレート②はマーケティング戦略と戦術の両方をフラットにレビューできます。
戦略と戦術の全体構造が直感的に確認できるとともに、ターゲットに提供する価値がわかりやすく解説できるようにしています。
具体的なマーケティング活動や施策について事例検討をする場合はこちらをおススメします。
テンプレートの記載例
テンプレート②を活用した記載例を下記に紹介します。
「お値段以上。」のコマーシャルで有名なインテリアコーディネート企業の独自でユニークなマーケティング戦略および戦術のケーススタディです。
この記事では記載方法にフォーカスして解説していきます。
それぞれのボックスに対して、調べた情報を箇条書きで簡潔に記入していくだけです。
資料作成の稼働と時間が短縮でき、ケーススタディ資料がかんたんに作成できます。
このテンプレートを資料のエグゼクティブサマリー(扉)として、個別施策のクリエーティブや展開状況などを別添資料としてセットすると、よりわかりやすいケーススタディ資料に仕上がります。
なるほど、かんたんですね!!
ケーススタディで盛り込む要素がフォーマットされているから漏れが無くなりますね。
ケーススタディの要素の個別の情報収集についてはこちらの記事をお役立てください。
マーケティングの情報収集を効率的に実施するノウハウやテクニックを紹介しています。
まとめ
今回は他企業のマーケティング分析に役立つケーススタディ資料を効率的に作成するコツとテンプレートを紹介させていただきました。
マーケティングの作業効率がグッとアップしますのでぜひお試しください。
さっそく、活用させていただきます!!
あわせて、マーケティングの事例検討についてより理解を深めていただき、プランニングの成果をより高めていただくための参考書籍をいくつか紹介させていただきます。
マーケティングのケーススタディそのものをたくさん見ることができます。ケーススタディそのものについて理解を深め、業務のディレクションや部下教育などに役立てたい方におススメです。
ポストコロナのケーススタディにフォーカスしているのがこちらです。
時流にマッチしたケーススタディをまとめてインプットすることができます。
こちらはブランド戦略のケーススタディに特化しています。
新商品・サービスやスタートアップのブランド構築、海外市場開拓、地域ブランド向上等、多彩な事例からブランド戦略のケーススタディ分析を学ぶことができます。
いかがでしたでしょうか。
今回ご紹介したノウハウは、資料づくりだけでなく、打ち合わせや商談の場でも活躍しますので、皆さんのスキルの引き出しに常備していだたき、ぜひお役立ていただきたいと思います。
このブログで紹介しているテンプレートは自由に活用しても良いんでしょうか?
ファイルが必要な方はお問い合わせフォームからお気軽ご連絡ください。
個別にメールでテンプレートファイルをお送りします。
次回のテンプレート特集は第5弾として生活者インサイトやベネフィット分析のテンプレートについて解説していきたいと思います。
どうぞお楽しみに。
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