この記事は移転しました。約2秒後に新記事へ移動します。移動しない場合はココをクリックしてください。
こちらは「【連載企画】実務に役立つマーケティングテンプレート特集」の6回目の記事です。
連載企画の概要はこちらをご覧ください。
momotorasalon.com今回はペルソナキャンバス、共感マップ、ニーズウォンツマトリクスのテンプレートを紹介します。
マーケティングで生活者をいろいろと分析してターゲットを設定したのに「何かピンとこないよね」とダメ出しされたことありませんか?
ターゲットについて丁寧な資料を作って、わかりやすく説明しているつもりなのに、受け手ごとにまちまちな解釈やイメージを持たれてしまって、こちらが伝えたいことが誤解されるなんて経験ありませんか?
ですが、大丈夫です。
実はマーケティングターゲットについて、受け手に関係なく同一の解釈とイメージを持たせる資料を効率的に作成するノウハウがあるんです。
結論を言うとそれがペルソナキャンバス、共感マップ、ニーズウォンツマトリクスの3つです。
この記事ではペルソナキャンバス、共感マップ、ニーズウォンツマトリクスの3つのテンプレートとその記載方法を紹介していきます。
この記事を読むことで、ターゲットの資料を効率的に作成するテクニックを習得することができます。
なぜならこの記事にはコンサルティングファームや広告代理店のマーケティングセクションで有能と言われるマーケターのスピードとクオリティを両立した資料作成ノウハウが凝縮されているからです。
どうぞ最後までご覧ください。
この記事の進行キャラクター
今回もいつものキャラクターで楽しく進行していきます。
どうぞよろしくお願いします。
記事の信頼性
この記事は実務経験30年のベテランマーケターで、広告代理店のマーケティング部長を経験し、現在はマーケティングサポート事業とサーフボード工場経営の二刀流で活動している「ももとら」が執筆しています。
広告代理店で数々のマーケティング研修を担当してきましたので、初心者の方にもわかりやすくお伝えできると思います。
読者の声
サイです。
まさに、昨日、クライアントからターゲット分析資料のダメ出しを食らったサイです。
わかりやすい資料を素早く作成するコツをぜひ教えてくだサイ!!
マーケティング起業したシカです。
テンプレート、自分も欲しいです。
ぜひ、もらえませんでしょうか?
承知しました。
皆さんのご要望にお応えします。
どうぞ最後までご覧ください。
この記事でわかること
- マーケティングのターゲット分析に役立つペルソナキャンバス、共感マップ、ニーズウォンツマトリクスについて解説します。
- ペルソナキャンバス、共感マップ、ニーズウォンツマトリクスそれぞれのテンプレートを紹介します。
- ペルソナ、共感マップ、ニーズウォンツの分析の進め方とテンプレートの記載方法を紹介します。
この記事のメリット
- メリット①
わかりやすいターゲット分析資料が効率的に作成できるようになります。 - メリット②
ターゲット理解をより一層を深めることで、仕事のステークホルダーとのコミュニケーションをこれまで以上に効率的にすることができます。 - メリット③
ターゲット分析のノウハウとテンプレートを打ち合わせやプランニングで活用することで、より論理的でクリエーティブなマーケティングを展開できるようになります。
ターゲット分析の構造から理解しましょう
ペルソナキャンバス、共感マップ、ニーズウォンツマトリクスのそれぞれの話に進む前に、まずターゲット分析の構造について解説します。
下のチャートをご覧ください。
ターゲットは以下のプロセスで決定されます。
- マーケティングを実行する市場を設定する。
- 市場のセグメンテーションを実行する。
- ターゲティングの項目を決定しターゲットを特定する。
そして出来上がったターゲットの例がこちら
ターゲットの設定例
30代男性、独身、会社員、中間管理職、首都圏在住、趣味はスポーツ
さて、ここで質問です。
ターゲットがどんな人物かイメージできますか?
はい、まぁ、書いてある通りかと。
僕はイメージ湧かないです。
ターゲットの性格とかやりたいことが知りたくなりますね。
そうですよね。
そういったモヤモヤを無くしたいですよね。
ターゲットの人物像を明瞭にイメージできる状態まで落とし込んでいくことが、「ペルソナ」、「共感マップ」、「ニーズウォンツ」なのです。
上のチャートのターゲットの下にこの3つが配置されていますが、この3つは相互補完的な位置づけでターゲットをより明瞭に、ステークホルダー全員に同じ解釈とイメージを伝達する役割を担っています。
それではひとつずつ解説していきましょう。
ペルソナキャンバス
ペルソナとは
ペルソナはやターゲットとして設定した人物のパーソナリティを示す情報を指します。
ターゲットとの違いは人物設定のリアリティにあります。
ターゲットは「30代、独身男性、会社員、趣味スポーツ」などのバクっとした大まかな人物設定に留まりますが、ペルソナの場合は以下のレベルまで細かく設定します。
ペルソナの設定例
・35歳男性のシカ太郎
・独身(婚姻歴無し)
・東京都港区の社宅に居住(2DK)
・大手商社のマーケティング部係長(勤続10年)
・年収450万円、預貯金300万円、投資は未経験
・趣味はゴルフ(ゴルフ歴3年、今年スコア100切りを達成、月1回ラウンド)
・ゴルフ仲間の友人とよく飲みに行く。
・現在、交際相手はいないが募集中。
・ファッションに気を使い、ブランドグッズを身に付けている。
・最近ダイエットと筋トレをはじめた。
・好きなブランドは、ナイキ、アップル
・ツイッター、インスタ、フェイスブック、ユーチューブのヘビーユーザー
・アマゾンと楽天でよく買い物をし、ポイントを貯めている。
う~ん。
リアリティありますね。
もはやプロファイリングですね。
このペルソナ設定を落とし込むテンプレートが「ペルソナキャンバス」です。
ペルソナキャンバスのテンプレート
下のテンプレートをご覧ください。
テンプレートの上段は対象者のプロファイリング要素を記載するスペースで、下段は将来と現状に対する意識を記載するスペースとなっています。
ペルソナキャンバスの記載例と記載方法
テンプレートの記載例をご覧ください。
人物像がはっきりイメージできますね。
いる、いる、こういう人。
テンプレートを記載する際の注意点は臨場感を持たせながらも現実離れしないことです。
ペルソナの設定は想定要素が強くなりイメージに流されがちなります。
しかし、そのイメージはあくまでペルソナ作成者の仮説に過ぎず、実際のところ、同じペルソナの人物がどれほど実在するのかも確証はありません。
ペルソナ設定で人物像の詳細イメージを掘り下げていくのは良いですが、あまり都合のいいペルソナにならないよう、調査のファクトと照合しながら設定作業を進めていくことをおススメします。
共感マップ
次は共感マップを活用して人物像の意識面にアプローチしていきます。
共感マップとは
共感マップとはペルソナ設定している人物像が現在置かれている状況と意識や感情について可視化していくためのテンプレートです。
かんたんに言うと「どんな事を考え、そして行動している人か」を明瞭にするということです。
共感マップのテンプレート
下のテンプレートをご覧ください。
共感マップでは以下の6つを分析していきます。
- ペルソナの人物像が見ていること
- 聞いていること
- 考えていること、感じていること
- 言っていること、行動していること
- 悩みやストレスを感じていること
- 欲しいもの、達成したいこと
実際に共感マップの記載例を見てみましょう。
共感マップの記載例
下の記載例をご覧ください。
共感マップもペルソナキャンバスと同様に臨場感を持たせながらも現実離れしないことを注意してください。
調査結果からピックアップした情報をわかりやすく肉付けするぐらいの感覚でコメントを記載するようにしてください。
うん。うん。
さらに人物像が明瞭になりますね。
この人、出世欲強いですね(笑)
ニーズウォンツマトリクス
次はニーズウォンツマトリクスを活用してペルソナの欲求願望を可視化していきます。
ニーズとウォンツ
まず、ニーズとウォンツについておさらいします。
ニーズ
ニーズは「Needs=必要」で生活者の欲求を指します。
理想と現実の間にあるギャップを埋めたいために生まれる欲求です。
ニーズには以下の2種類があります。
- お客様自身が自覚している「顕在ニーズ」
➡「自動車を買い替えたい」 - お客様自身では自覚していない「潜在ニーズ」
➡「自動車の維持費が安くなるといい」
ウォンツ
ウォンツは「Wants=欲求」で生活者のニーズを満たす具体的な商品やサービスへの欲求です。
ウォンツには以下の3種類があります。
- 基本ウォンツ:ニーズを満たすための具体的な商品やサービスを求める欲求
➡「プリウスが欲しい」 - 条件ウォンツ:基本ウォンツを満たし、理想により近づけるために生まれる欲求
➡「実はプリウスでなくともエコカーであればいい」 - 期待ウォンツ:満たされることが期待されている欲求
➡「エコカーで燃費を3割程コストダウンしたい」
ニーズ・ウォンツとインサイトとの違い
ニーズやウォンツと混同される言葉として「インサイト」があります。
ニーズもウォンツも欲求自体はすでに本人の中で存在しています。
一方、インサイトとは「深層心理」を意味し、生活者自身の中でまだ生まれていない欲求を指します。
インサイトは以下の記事でも取り上げていますので、ご興味がありましたらご覧ください。
ニーズウォンツマトリクスとは
ニーズとウォンツの欲求レベルの高い低いをマトリクスで分類し、対象者の欲求意識の状況を可視化するためのフォーマットです。
かんたんに言うと、その人がやりたいことの優先順位と実現性を明瞭にすることができます。
ニーズウォンツマトリクスのテンプレート
下のテンプレートをご覧ください。
ニーズとウォンツを以下の四象限に分類します。
- 未だ手に入れたいモノに気付いていない状態
- 手に入れたい欲求はあるが必要性は高くないと感じている状態
- 欲しいモノに気付いているが、手に入れるべきか検討している状態
- 必要性がかなり高く、それが今すぐ欲しいと感じている状態
欲求が一番明確かつ高いのが、「必要性がかなり高く、それが今すぐ欲しいと感じている状態」の枠に記載されるモノとなります。
ニーズウォンツマトリクスのテンプレート記載例
それではニーズウォンツマトリクスのテンプレート記載例をご覧いただきましょう。
ちなみに、この対象者の方は、いろいろな欲求の中で昇格試験の合格や結婚などの実現願望が強いですが、まずはWEBマーケティングセミナーを受講してスキルアップすることを最優先しているということが読み取れます。
先輩、頑張ってください(笑)
ここまでプロファイリングされると何か恥ずかしいものがありますね。
それほどターゲットを明瞭に理解できるということですね。
まとめ
今回はマーケティングのターゲット分析に役立つペルソナキャンバス、共感マップ、ニーズウォンツマトリクスのテンプレートを紹介させていただきました。
ターゲット分析そのものや分析資料作成の作業効率がグッとアップしますのでぜひお試しください。
さっそく、活用させていただきます!!
あわせて、ペルソナキャンバス、共感マップ、ニーズウォンツマトリクスついてより理解を深めていただくための参考書籍をいくつか紹介させていただきます。
こちらの書籍はペルソナの流れをパナソニックなど国内外の具体事例にもとづいて解説しています。
ペルソナの入門書としてわかりやすいのでおススメします。
買い物客の脳の動きについてリサーチし、生活者の購買行動や消費者心理のメカニズムを研究した知見がふんだんに盛り込まれています。
たくさんの実例を見ながら「ショッピングの科学」を楽しむことができます。
いかがでしたでしょうか。
今回ご紹介したノウハウは、資料づくりだけでなく、打ち合わせや商談の場でも活躍するものですので、皆さんのスキルの引き出しに常備していだたき、お役立ていただきたいと思います。
このブログで紹介しているテンプレートは自由に活用しても良いんでしょうか?
はい、大丈夫です。
ファイルが必要な方はお問い合わせフォームからお気軽ご連絡ください。
個別にメールでテンプレートファイルをお送りします。
次回のテンプレート特集は第7弾として仮説立案のテンプレートについて解説していきたいと思います。
どうぞお楽しみに。
ももとらサロンでは起業や副業に役立つマーケティングのノウハウや事例などをどんどん発信していきます。
今後ともももとらサロンをご覧いただけますよう、よろしくお願いいたします。
SNSもフォローしていただけると嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。