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ジョハリの窓、マンダラート、オズボーンなど仮説づくりのテンプレート

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ジョハリの窓、マンダラート、オズボーンなど仮説づくりのテンプレートアイキャッチ画像

こちらは「【連載企画】実務に役立つマーケティングテンプレート特集」の7回目の記事です。
連載企画の概要はこちらをご覧ください。

momotorasalon.com今回はジョハリの窓、マンダラート、オズボーンのチェックリス、仮説検討シートというマーケティングの仮説づくりに役立つテンプレートを解説していきます。
やっとひねり出した渾身のおもしろい仮説。
自信満々でプレゼンしたのに「何かピンとこないよね」とスルーされたことありませんか?
丁寧な資料を作ってわかりやすく説明しているつもりなのに、受け手ごとに違うイメージを持たれてしまってこちらが伝えたいことが誤解された経験はありませんか?

ですが、大丈夫です。
それはあなたの仮説が悪いのではなくて、仮説の見せ方の問題だったりすることが多いのです。

実はマーケティング仮説を受け手に関係なく同一のイメージを持たせて、ストンと理解させるノウハウがあるんです。
先に結論を言うとそれがジョハリの窓、マンダラート、オズボーンのチェックリスト、仮説検討シートの4つです。
この記事ではこれら4つのテンプレートとその記載方法を解説していきます。

この記事を読むことで、マーケティング仮説のプレゼン資料を効率的に作成するテクニックを習得することができます。
なぜならこの記事にはコンサルティングファームや広告代理店のマーケティングセクションで有能と言われるマーケターのスピードとクオリティを両立した資料作成ノウハウが凝縮されているからです。

どうぞ最後までご覧ください。

この記事の進行キャラクター

今回もいつものキャラクターで楽しく進行していきます。

進行キャラクター解説画像

どうぞよろしくお願いします。

記事の信頼性

この記事は実務経験30年のベテランマーケターで、広告代理店のマーケティング部長を経験し、現在はマーケティングサポート事業とサーフボード工場経営の二刀流で活動している「ももとら」が執筆しています。

筆者プロフィール解説画像

広告代理店で数々のマーケティング研修を担当してきましたので、初心者の方にもわかりやすくお伝えできると思います。

読者の声

先日仮説のプレゼンに失敗したサイです。
プレゼン資料がわかりにくいと言われてしまいました。
どうしたらいいか教えてくだサイ!!

マーケティング起業したシカです。
テンプレート、自分も欲しいです。
ぜひ、もらえませんでしょうか?

承知しました。
皆さんのご要望にお応えします。
どうぞ最後までご覧ください。

この記事でわかること

  • マーケティングの仮説づくりやプレゼンテーションに役立つジョハリの窓、マンダラート、オズボーンのチェックリスト、仮説検討シートについて解説します。
  • これら4つそれぞれのテンプレートを紹介します。
  • これら4つを活用した仮説づくりの進め方とテンプレートの記載方法を紹介します。

この記事のメリット

  • メリット①
    マーケティング仮説をわかりやすく説明できる資料を効率的に作成できるようになります。
  • メリット②
    仮説づくりの考え方や構造の理解を深めることで、仕事のステークホルダーとのコミュニケーションをこれまで以上に効率的にすることができます。
  • メリット③
    仮説づくりのノウハウやテンプレートを打ち合わせやプランニング実務で活用することで、より論理的でクリエーティブなマーケティングを展開できるようになります。

仮説づくりとは

まず仮説づくりとは何なのか、それにどんなメリットがあるのか、仮説づくりのポイントについて解説します。

仮説とは

  • 物事の最も確からしいと考えられる仮のアンサー
  • 特定の課題の仮のアンサー
  • 解明できていないことの仮のアンサー
  • 「おそらくこうなっていくだろう」「おそらくこんなことが発生するはず」という特定の対象・範囲に該当する仮のアンサー

仮説づくりのメリット

  • 仮説の分析、立案、検討、検証というプロセス通じて、ビジネスの意思決定の確信度や説得力がアップします。
  • マーケティングの多様な事柄に対する問題意識が向上し、プランニングのクオリティがアップします。
  • 仮説を設定して活動することを通して、行き当たりばったりの行動が減少し、マーケティングのスピードと個々の活動の成功確率がアップします。

仮説づくりのポイント

  • 新規性、独自性のある仮説を考えること。
  • 具体的な戦術につながる仮説を考えること。
  • ある程度現実的(実現可能)な仮説を考えること

仮説づくりのプロセス

続いて仮説づくりの進め方を解説します。
下のチャートをご覧ください。

仮説づくりのプロセス解説画像 仮説の種と言われる、インサイト、ベネフィット、科学的なエビデンスやファクト、生活者や現場の生の声に直接触れ合って、仮説になり得るプランニングの素材を収集します。

情報収集の効果的な方法はこちらの記事で解説していますのであわせてご覧ください。

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インサイトやベネフィットはこちらの生活者研究カテゴリーでも取り上げています。
あわせてご覧いただけますとうれしいです。

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仮説の種を収集できたら、仮説の立案と検討に進みます。
ここでこの記事の本題である仮説づくりの4つの手法とテンプレートを活用していきます。
仮説ができたらその仮説を評価、検証します。

仮説づくりの方法

いよいよ本題の仮説づくりについて解説します。
仮説づくりの方法を下のチャートにまとめましたのでご覧ください。

仮説づくりの方法解説画像
仮説の立案では以下の4つの方法を活用します。

ジョハリの窓
➡新たな可能性の発見を試みます。

マンダラート
➡上記で発見した新たな可能性を増幅(膨らましたり、発展させたり)します。

オズボーンのチェックリスト
➡上記の可能性にこちらのチェックリストの問いを行い、その可能性に磨きをかけます。

仮説検討シート
➡上記で磨きをかけた仮説を整理するとともにわかりやすく可視化します。

それではひとつひとつ解説していきましょう。
仮説づくりとテンプレートの記載方法を具体的に見ていただくために、特定の演習テーマを設定し、その演習テーマから仮説をつくる過程をご覧いただきたいと思います。

仮説づくりの演習課題

基礎情報

  • 自社はとある地方のホームセンターです。
  • この地方でロードサイド型大型店舗を5店出店しています。
  • 商圏の顧客はファミリー層が中心です。
  • コロナ禍により転入者世帯が増加しています。
  • 開店以来20年を経過し、地域に密着した営業活動を展開。営業利益は大きくはないものの継続的に黒字を記録していました。
  • 品揃えは日用品、生活雑貨、家具、家電、食料品、飲料、衣料、薬品などです。

環境変化

  • 大手が100均ショップが進出してきたことにより商圏内の競合が激化し、来店客数が大きく低下してしまいました。

演習課題

  • このホームセンターの生き残り戦略の仮説を提案してください。

さて、あなたならどうしますか?

それではこれまで紹介した方法を活用して仮説づくりを実施していきましょう。

ジョハリの窓

ジョハリの窓を活用してどんな可能性が発見できるのかを見てみましょう。

ジョハリの窓とは

ジョハリの窓は心理学者のジョセフ・ルフトとハリントン・インガムが1955年に考案した概念で、両名の名前を取ってジョハリの窓と命名されています。
主に人材育成や能力開発に活用されているフレームワークです。
具体的には自分自身と他者から見た自分自身の見え方を4つの領域(開放の窓、盲点の窓、秘密の窓、未知の窓)に分類し、自己特性の理解促進や対人関係の課題発見などに利用します。
このフレームワークをマーケティング仮説の発見に利用していきます。

下のテンプレートをご覧ください。

ジョハリの窓のテンプレート
 

ジョハリの窓テンプレート解説画像

ジョハリの窓の活用方法

このテンプレートを活用してマーケティング仮説を探っていきます。

  • 開放の窓
    一般的にここは誰でも思いつくような打ち手が出てきます。
  • 盲点の窓
    ここは競合が新たに新店舗を出店するとかのまだ見ぬリスクとの戦いのゾーンです。
  • 秘密の窓
    ここは自社の競争資源を活かした、競合も顧客も思いつかないような秘密の戦略を検討するゾーンです。
  • 未知の窓(創造の窓と言っても良いでしょう。)
    ここは自分も含めてこれまで誰もが思いつかないキラー戦略が創造されるゾーンです。

これら4つのゾーンに考え得る競争資源や戦略アイデアをプロットしていきます。

ジョハリの窓 テンプレートの記載例

ジョハリの窓テンプレート記載例解説画像

秘密の窓と未知の窓(創造の窓)を重点的にアイデアを考えてプロットしてみました。

この段階での戦略仮説は以下のようになります。

  • 新しい100均店に価格と品揃えで対抗してもこちらが消耗してしまう。
  • 100均店と差異化し、自社の強み(既存顧客のくらしを20年支えてきた実績とノウハウ)を活かした新サービスにより新たな収益源を確立する。
  • 新規転入世帯を丸ごと囲い込めるサポートサービスをスタートさせる。
    これは既存顧客向けサブスクサービスのくらしのトータルサポートのセールスポイントを発展させたものとする。
  • さらに100均店の強みも活用した協業モデルを提案し、競合そのものの囲い込みを図る。

なるほど、おもしろいかもしれませんね。

でも具体的じゃないからイマイチよくわかりませんね。

次のステップでこれを具体的にしていきます。

マンダラート

マンダラートとは

マンダラートは3×3の9つのマスを活用してアイデアを創造したり具体化していくフレームワークです。
こちらは目標達成シートという別名もあり、メジャーリーガーの大谷翔平さんも活用していたとされ、様々な世界で目標の達成やそのための思考をマネジメントできるツールと言われています。
このマンダラートを活用して先ほどの戦略アイデアを膨らませていきましょう。

マンダラートのテンプレート
 

マンダラートテンプレート解説画像
マンダラートの活用方法

テンプレート中央の9マスの中央に戦略の目的を記載し、その目的を達成するためのテーマを周囲のマスに記載して戦略やアイデアを細分化していきます。
そしてその周囲の9マスごとのマスを活用し、中央に戦略テーマを記載。その周囲のマスに、課題、ターゲット、ベネフィット、アイデア、目標、次期、場所、予算を記載します。
テンプレートの中央にある目的を達成していくための活動がテンプレートの周囲に拡がっていくイメージです。
テンプレートに記載していく項目は、扱うテーマなどに応じて使いやすいものに変更していただいても問題ありません。
これを作成していくことを通して戦略そのものを具体化していきます。

マンダラート テンプレートの記載例

マンダラートテンプレート記載例解説画像

マンダラートを活用して掘り下げた内容を以下にまとめてみます。

戦略の目的

  • 大手100均の進出に伴うホームセンター〇〇の生き残り戦略

戦略テーマ

  • 既存顧客向けサブスクリプションサービスの導入
    「くらしまるごとサポート、消耗品無料」
  • サブスクリプション新サービスのフレーム開発
  • 既存顧客向けサービスを展開しながら新規顧客向けサービスの立ち上げ
  • 新規顧客向けサブスクサービスの立ち上げ
    「まるごと相談できる、転入サポートサービス」
  • サブスクリプション新サービスのブランディング
  • サブスクリプション新サービスのデータベース構築
  • サブスクリプション新サービスのフィールド機能
  • 地元企業との提携で新たな営業機能を調達
  • 競合との協業
    サブスクリプション新サービスへの相乗り提案による囲い込み

なりほど。かなり具体的になりましたね。

ここから、仮説をさらに磨き込んでいきます。

え、まだ何かやるんですか?

仮説で検討した事業の価値をさらに高めるための工夫をします。

次はオズボーンのチェックリストを活用して検討していきます。

オズボーンのチェックリスト

オズボーンのチェックリストとは

オズボーンのチェックリストはチェックリストの問いを検討していくことでアイデアの発想を促進させるという発想方法です。
ゼロから新しいものを考えるというよりは、今あるものを改善したり応用したりすることに役立つ問題解決型の発想方法と言えます。

オズボーンのチェックリストのテンプレート
 

オズボーンのチェックリストテンプレート解説画像
こちらではオズボーンのチェックリストを活用して、現在の戦略仮説にさらに磨きをかけ、その価値を高めていきたいと思います。

オズボーンのチェックリストの活用方法

現在の仮説に対してオズボーンのチェックリストの問いを投げかけ、その価値を高めていくためのアイデアを発想していきます。

オズボーンのチェックリスト テンプレートの記載例

オズボーンのチェックリスト記載例解説画像
 オズボーンのチェックリストを活用して、今回の戦略仮説の中核である「くらしまるごとサポートのサブスクリプションサービス」の磨き込みを行いました。

「転用できないか」、「応用できないか」、「結合できないか」の3つのチェックリストを検討した結果、地域の介護施設との提携を通して「くらしまるごとサーポート」のメニューに介護を追加することで、よりサービスの提供価値と収益性を高めるという戦略アイデアを考え出しました。
独自の顧客DBにくらしの情報と介護情報をデータミックスすることで、地域密着性を一層強めることができ、商圏における圧倒的な競争優位性の確立を狙います。

次はここまで検討してきたマーケティング仮説をわかりやすく可視化していきます。

仮説検討シート

マーケティング仮説の可視化には仮説検討シートを活用します。

仮説検討シートとは

マーケティング仮説をわかりやすく可視化し検討できるようにワンシートに落とし込むためのフォーマットです。
様々なステークホルダーを対象にプレゼンテーションして、マーケティング仮説に対する同一の内容理解とイメージの刷り込みを行うためには、マーケティング仮説を論理的に理解できる項目に落とし込む必要があります。
具体的には以下のマーケティング項目に落とし込んでいきます。

  • 仮説のテーマ
  • 4P(プロダクト、プライス、プレイス、プロモーション)
  • 4C(カスタマーバリュー、カスタマーコスト、コンビニエンス、コミュニケーション)
  • データ・テクノロジー

これらのマーケティング項目については以下の記事でその意味や重要性を解説しています。あわせてご覧ください。

momotorasalon.com

仮説検討シートのテンプレート
 

仮説検討シートテンプレート解説画像
仮説検討シート テンプレートの記載例
 

仮説検討シート記載例解説画像
ここまでの検討の結論です。

マーケティング仮説のアンサー

  • 競合進出に伴う生き残り戦略は、自社の競争資源と地域のマーケティング資源を組み合わせたくらしそのものを総合的にサポートするサブスクサービスの創造というアンサーとなりました。
  • これは商圏やそこで暮らすお客様をそこでビジネスを展開するプレイヤーの共存共栄マーケティングで支えていくというマーケティング戦略の提案です。

マーケティング仮説がとても明快になりましたね。

単なる競合対抗になるんだろうなと思いましたが、とても社会性の高いサービスが創造されることになりましたね。

ジョハリの窓、マンダラート、オズボーンのチェックリストの3つを活用することで、戦略を発展的に検討することができます。
また仮説検討シートに落とし込むことで、マーケティング仮説そのものを誰の目にもわかりやすく説明することができます。

まとめ

今回はマーケティング仮説の立案、検討に役立つ、ジョハリの窓、マンダラート、オズボーンのチェックリスト、仮説検討シートの4つの方法とテンプレートを紹介させていただきました。
マーケティング仮説のプランニングやプレゼン資料のクオリティや作業効率がグッとアップすると思いますのでぜひお試しいただければと思います。

さっそく、活用させていただきます!!

あわせて今回紹介した仮説立案の方法についてより一層理解を深めていただくための参考書籍を紹介させていただきます。

MBAで教わるフレームワーク活用術が100の図解で直感的にわかる1冊です。

超一流アスリート、経営者、ビジネスパーソンも取り入れていると話題の元祖9マス思考「マンダラチャート」の使い方をあますことなく公開しています。
プロジェクト、アイデア出し、時間管理、ダイエット、トレーニング…仕事でもプライベートでも使える最強ツール活用術です。

おもしろそうですね。
買って読んでみます!!

いかがでしたでしょうか。
今回ご紹介したノウハウはプランニングや資料づくりだけでなく打ち合わせや商談の場でも活躍するものですので、皆さんのスキルの引き出しに常備していだたき、お役立ていただきたいと思います。

このブログで紹介しているテンプレートは自由に活用しても良いんでしょうか?

はい、大丈夫です。
ファイルが必要な方はお問い合わせフォームからお気軽ご連絡ください。
個別にメールでテンプレートファイルをお送りします。

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次回のテンプレート特集は第8回としてセグメンテーションのテンプレートについて解説していきたいと思います。

どうぞお楽しみに。

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最後までご覧いただきありがとうございました。